2012/02/21(火) NO.699号
中立性を脅かす政治圧力
2月2日、国会原発事故調査委員会の黒川清委員長が、政府の原子力規制庁法案に対し、「事故原因の調査を国会事故調査委で鋭意進め、その調査結果を踏まえた新しい行政組織の提案をしようという時に、早々に政府案を決定し国会に提出したことは理解できない」との趣旨の声明を出したことは、ニュース等でも報道されている通りだ。
国会原発事故調査委員会は政府の一部機関ではなく独立しており、また国会議員ら政治家からも独立している。だから、真に中立公正な事故の原因究明が可能であり、このように政府や国会に対して自由に注文や批判を投げかけることが可能だ。
だが、そうは言っても、事故調査委員会の委員は、黒川委員長はじめ民間人だ。政府や原子力業界から総出でプレッシャーをかけられては、いかに法律上独立していても、中立性はもとより身の安全を保てない。そこで、国会事故調査委員会法には「接触報告」の公表を義務付け、その種の接触を受けた際には公開することとし、そうしたプレッシャーの抑制を図っている。
しかし、何人かの関係者に確認したところ、昨日、声明で批判をされた政府の規制庁法案の最高責任者でもある細野原発担当大臣が、事もあろうに黒川委員長に直々に接触をし、規制庁法案について何か「説明」をしたのだという。しかし、会合は非公開で、どのようなやりとりが行なわれたのか、国民には全く不明だ。
ましてや、細野大臣は昨年の原発事故直後から首相補佐官として事故の収拾の担当をしており、言わば今回の事故調査委員会の主要な調査対象の一人だ。その現役閣僚が、事もあろうに独立性が謳われている国会事故調査委員会に押しかけるとは、どういうことなのだろうか。
私が法案成立のために奔走していた時、「そこまで強い独立性を与える必要はないのではないか」という声も多々あった。政治や原子力業界からの圧力の危険性について、過剰反応との声すらあった。しかし実際に、こうして報道もされない政治家の接触と圧力が、日夜国会原発事故調査委員会に与えられ、調査の公正性と中立性と信頼性が損なわれているとするならば大きな問題だ。
「原子力規制庁」について細野大臣は「独立している」と豪語したが、大臣が今回のように乗り出せばひとたまりもない。だから「三条委員会」で、法律上の強固な独立性を担保しなければならないのだ。
民主党も党を挙げて賛同してくれた国会原発事故調査委員会だ。襟を正し、こういう疑念を招きかねない行為は慎むべきだ。強く訴えたい。
国会原発事故調査委員会は政府の一部機関ではなく独立しており、また国会議員ら政治家からも独立している。だから、真に中立公正な事故の原因究明が可能であり、このように政府や国会に対して自由に注文や批判を投げかけることが可能だ。
だが、そうは言っても、事故調査委員会の委員は、黒川委員長はじめ民間人だ。政府や原子力業界から総出でプレッシャーをかけられては、いかに法律上独立していても、中立性はもとより身の安全を保てない。そこで、国会事故調査委員会法には「接触報告」の公表を義務付け、その種の接触を受けた際には公開することとし、そうしたプレッシャーの抑制を図っている。
しかし、何人かの関係者に確認したところ、昨日、声明で批判をされた政府の規制庁法案の最高責任者でもある細野原発担当大臣が、事もあろうに黒川委員長に直々に接触をし、規制庁法案について何か「説明」をしたのだという。しかし、会合は非公開で、どのようなやりとりが行なわれたのか、国民には全く不明だ。
ましてや、細野大臣は昨年の原発事故直後から首相補佐官として事故の収拾の担当をしており、言わば今回の事故調査委員会の主要な調査対象の一人だ。その現役閣僚が、事もあろうに独立性が謳われている国会事故調査委員会に押しかけるとは、どういうことなのだろうか。
私が法案成立のために奔走していた時、「そこまで強い独立性を与える必要はないのではないか」という声も多々あった。政治や原子力業界からの圧力の危険性について、過剰反応との声すらあった。しかし実際に、こうして報道もされない政治家の接触と圧力が、日夜国会原発事故調査委員会に与えられ、調査の公正性と中立性と信頼性が損なわれているとするならば大きな問題だ。
「原子力規制庁」について細野大臣は「独立している」と豪語したが、大臣が今回のように乗り出せばひとたまりもない。だから「三条委員会」で、法律上の強固な独立性を担保しなければならないのだ。
民主党も党を挙げて賛同してくれた国会原発事故調査委員会だ。襟を正し、こういう疑念を招きかねない行為は慎むべきだ。強く訴えたい。
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