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政策提言

2008/07/09

第二次補正予算案等の早期国会提出を求める申し入れ

平成20年7月9日

厚生労働大臣 舛添 要一 殿

社保庁解体、年金記録問題、高齢者医療に関する申し入れ

 現在国民は、年金や医療制度をはじめとするわが国の社会保障制度に大きな不安を感じており、政府・与党に対して厳しい批判の目を向けている。今ここで政府・与党が一丸となって国民目線に立った社会保障政策の見直しを速やかに実行し、安心できる制度の再構築を行わなければ、政治不信の深刻化は必至である。
 そうした危機感の下、自民党所属有志議員により「国民の安心を実現し、政治への信頼を取り戻す会」(通称:リゲインの会)を立ち上げ、社会保障政策などに関して積極的に提言を行い、党内議論を喚起し、政府の具体的アクションを求めていくこととなった。
 その第一弾として、近く閣議決定予定の日本年金機構基本計画と、紙台帳からの大量転記ミスが新たに発覚した年金記録問題、並びに「後期高齢者医療制度」について緊急提言を下記のとおり取りまとめたので、貴大臣のリーダーシップの下、厚生労働省において直ちに具体的アクションを取って頂くよう強く求めるものである。


  • 抜本的改革を行い、社会保険庁の悪弊を日本年金機構に持ち込まないこと
      日本年金機構の発足が、国民から見て信頼できる新たな年金管理組織の立ち上げとなり、信頼回復の第一歩となるようにしなければならない。そのためには、社会保険庁からの単なる看板の架け替えに終わることがないよう、以下の具体的取り組みを行うべきである。
    (1) 新たな第三者委員会の下、過去の膿を完全に出し切ること。
    不正行為や不適切な記録管理について徹底的解明を行い、関係者の責任を明確にし、厳格な懲戒処分を行うこと。必要があれば刑事告発もすること。
     また厚労省、社保庁の幹部については退職した者も含め、管理監督責任を追及し、退職金の返納等のけじめをつけること。
     そして年金記録問題に一定のケリがつくまで、ボーナスの減額、返上等により組織全体として国民に対して謝罪の気持ちを示すこと。
    (2) 懲戒処分者は新機構に一切採用しないこと。
     新機構の職員採用にあたっては、懲戒処分者は正規職員、有期雇用を問わず一切採用しないことを基本計画において明確にすること。
     また採用の判定にあたる審査委員会に対しては、真に採用の可否を判断できる十分かつ有用な情報を提供すること。
    (3) ヤミ専従問題を徹底的に追及し、問題の多い労働慣行を新機構に持ち込まないこと。
     現在表面化しているヤミ専従案件は東京、大阪、京都に地域が限定されているなど氷山の一角の可能性が高い。全容解明のため社会保険事務所長経験者全員から年内に徹底的な事情聴取を行うこと。また今後ヤミ専従問題の解明にあたる外部専門家には、解明の手がかりとなる資料の提供を確実に行うこと。
     さらに、その他の不適切な労働慣行についても徹底的な解明を行い、関係者の責任を追及し、新機構にこのような慣行が持ち込まれることがないようにすること。
    (4) スリムな組織でスタートさせること。
     業務の外部委託や外部人材の有期雇用をいっそう拡大し、新組織スタート時の正規職員数を1万人以下とすること。
     また組織に新風を取り入れる観点から、正規職員への外部人材採用を充実させ、少なくとも現行計画(1000人)から倍増させること。
  • 年金記録問題の完全解決への道筋を明確に示すこと
     不適切な事務処理の発覚が後を絶たない年金記録問題について、完全解決の道筋を示さない限り、国民の不信感が払拭されることはない。ねんきん特別便に関する相談体制を抜本的に強化する一方で、すべての紙台帳とコンピュータデータの照合作業を政府の責任においてできるだけ短期間で完了させるべく、以下の取り組みを直ちに行うべきである。
    (1) 受給者、加入者に不満を感じさせない迅速な問い合わせ対応体制を構築すること。
    年金フリーダイヤルの応答率を2ヶ月以内に少なくとも80%以上まで高めるよう、人員配置等を抜本的に見直すとともに、応答時間帯を拡大すること。
    同時に窓口における待ち時間も30分以内となるよう取り組むこと。そのためにも社会保険事務所の窓口を当面は土曜、日曜や夜間も開くようにすること。
    (2) 相談窓口を充実させ、気軽に年金に関する相談ができる体制を構築すること。
     ウィンドウマシンの配備を充実させ、すべての市町村窓口や社会保険労務士でも問い合わせ対応できるようにすること。
     特に年内は、3台以上のウィンドウマシンを用意しての本格的移動相談をすべての市町村において毎月1回以上実施すること。
    (3) 紙台帳とコンピュータデータの照合作業を新機構発足後5年以内に完了させること。  紙台帳とコンピュータデータの照合作業は「申請主義」ではなく、政府の責任において実施することを明確にすること。特に6月の関係閣僚会議で了承された計画における不明確な表現を改め、「8億5千万件の紙台帳すべての照合作業を政府の責任において完全実施する」ことを明記した計画とすること。
     新機構発足後5年以内に照合を完了させる実施計画を策定すること。具体的には2009年にシステム基盤の準備を完了し、2010年の新機構発足後2年間で受給者に係わる紙台帳の照合を完了し、その後3年間で全加入者分の照合を完了できるようにすること。
  • 「後期高齢者医療制度」の早期徹底検証、改善提案を行うこと
     本年4月に導入された「後期高齢者医療制度」については、さる6月10日に与党PTにおける緊急的見直しは行われたが、解決すべき課題は多く残されたままであり、国民的理解は殆ど深まっていない。
     我々「国民の安心を実現し、政治への信頼を取り戻す会」では、自民党内において、旧制度との比較考量、国民負担の将来シミュレーション、広域連合の是非、公費投入のあり方等、多面的な観点から徹底検証が行われ、7月中に党としての改善提案が取りまとめられるよう求めるとともに、制度執行に当たる厚生労働省が自ら同様の徹底検証、制度改善提案を通じて国民の信頼回復に努力すべきである。

「国民の安心を実現し、政治への信頼を取り戻す会」
(通称:リゲインの会) 一同

「国民の安心を実現し、政治への信頼を取り戻す会」(通称:リゲインの会)
塩崎 恭久 茂木 敏充
新藤 義孝 小野寺 五典
後藤 茂之 松野 博一
柴山 昌彦 菅原 一秀
西村 明宏 赤澤 亮正
木原 誠二 佐藤 ゆかり
関 芳弘 田中 良生
福岡 資麿 山内 康一
世耕 弘成